チュニジアのベン・アリ大統領が追い出されてサウジアラビアに亡命
したニュースは日本では大きく取り上げられていないが、このニュースは
今後、中東、ひいては国際政治にかなりのインパクトを与えるようになると思う。
私もホリデーでチュニスを訪れたことがあるが、中東では珍しく開放的な
宗教政策で知られている。ドバイのような外人の集合都市は例外だが、
伝統的なアラブ諸国のなかでは最も開放的だ。
一夫一妻が法的に義務付けられていたりしている。
さて、一般的に中東諸国の国々の問題点は、若者の失業率が高く、役人は
汚職まみれで長期独裁政権が続いているのが普通だ。
既政権は既得権の如くファミリーで受け継がれている場合が多い。
問題は、為政者がその地位にふんぞり返って現状打破をしようとしない
こと。まさに裸の王様になりやすい典型だ。
大統領と称される終身独裁者は、定期的に選挙はやるものの、選挙はもともと
仕組まれているのだから、圧倒的多数で何度も何度も選ばれて行く。
筆頭はエジプトやモロッコなどの長期政権。
そんな不自由さに加えて最近の食糧に対するインフレが激しいので、国民の
不満は鬱積していたと思われる。
最近の穀物などのコモディティの値上がりで、中東諸国では食糧のインフレが
ひどい。
通常、中東では食糧は国の補助金で安く抑えられていることが多いが、負担に
耐えられなくなると補助金が減らされるので基礎食料品ですら値上がりがひどく
なってくる。
そうすると、暴動につながる。
武力で抑えられているので、暴動は政府を転覆するまでにはなかなか至らないが、
今回は成功した例。
問題は、今回のチュニジアでの政府転覆で勇気づけられた他諸国の若者たちが
同様なアクションを起こすことだ。
中東諸国は今の日本と違って平均年齢がかなり低い。
日本は40歳強が平均だが、中東諸国は20代全般が大部分だ。
さて、チュニジア問題直後、そうした国々の株価は急落、国債が紙くずになる保険
であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が急騰することになった。
ということで、中東各地で現政権がなくなるのに時間があまりかからないのは予想
できるが、怖いのは誰が新政権を取るかだ。
特にエジプト。
そんな不安で一番おそれおののいているのはイスラエルかもしれない。
なぜかというと、中東の独裁政権は通常アメリカ寄りで、イスラエルとの拮抗が
保たれて来ているからだ。
エジプトのムバラク政権もそんな国の一つ。
そんな米国の傀儡政権が倒され、イスラム保守派が台頭しようものなら、
イスラエルは四面楚歌になってしまう...。ただでさえ、イランに目の敵に
されているからだ。
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